結ばれた歴史:イタリア最古のミルと、サヴィル・ロウ最初のテーラー
ヘンリープールがサヴィル・ロウにロウ初のテーラーを開業した1846年当時、ヴィターレ・バルベリス・カノニコは、既にイタリア・ビエッラにて180年以上にわたって上質なテキスタイルを生産していました。19世紀半ばまでに、ヴィターレ・バルベリス・カノニコは生産を急速に拡大し、ヨーロッパ、アメリカ大陸、さらには中国にまで輸出していたのです。これは産業革命当時の最新技術と機械によって可能となったものです。
ヴィターレ・バルベリス・カノニコがプラトゥリヴェーロ工場を発展させ、機械式織機、そして後に電気を導入し続ける一方で、ヘンリープールは乗馬服、フィールドスポーツ用の服装、軍服を通じて貴族階級の間で評判を確立しておりました。両社がそれぞれの技術で世界的に名声を高める中、1847年に注目すべき交流が生まれたのです。後のフランス皇帝ナポレオン3世がヴィターレ・バルベリス・カノニコに「スーパーファインブルー」の生地を発注したのです。その同じ「スーパーファインブルー」が、ヘンリープールの記録にもシルク裏地のコートの新規注文として登場しています。
“これは、ふたつのファミリーが築き上げた、幾世紀にもわたる歴史をもつ事業、技術と革新、そして伝統への揺るぎない敬意によって結ばれた絆なのです”
現在、両社とも誇りをもってファミリービジネスを続けております。ヴィターレ・バルベリス・カノニコ社の13代目当主でありマーケティングダイレクターを務めるフランチェスコ・バルベリス・カノニコ氏、そしてヘンリープール社の7代目当主でありマネージングダイレクターを務めるサイモン・カンディは、伝統と革新への共通の敬意をもって、それぞれのビジネスを推進し続けています。
サステナビリティは今や両社のビジネスの中核をなしています。ヴィターレ・バルベリス・カノニコは、生産工程全体での水使用量を劇的に削減するだけでなく、完全に浄化された水を自然へ還す先進的な水濾過システムに多大な投資を行っています。またヘンリープールにおいては、ビスポークというビジネスモデルそのものが本質的に持続可能なものです。衣服は少量生産され、何世代にもわたって着用できるように作られており、継続的な修理や調整によって、世代を超えて着用され続けます。さらに、天然素材の使用や、ヴィターレ・バルベリス・カノニコのような完全なトレーサビリティを備えた羊毛を扱うミルとの提携により、羊から生地に至るまでの全工程における完全な透明性が確保されているのです。
写真(上から)
●ビエッラ県プラトゥリヴェーロにて、ヴィターレ・バルベリス・カノニコのアーカイブ台帳を閲覧するサイモン・カンディとフランチェスコ・バルベリス・カノニコ氏。
●ビエッラ県プラトゥリヴェーロにあるヴィターレ・バルベリス・カノニコ工場 ~1870年ごろ。
●カノニコのミルにて、準備中のハウススペシャルを確認するサイモン・カンディ。



