『The Tailor's Daughter(仕立屋の娘)』

ロンドンで小説の構想を練っていたジャニス・グラハムは、200年以上に渡るヘンリープールの業績を知って驚嘆しました。それは、ヘンリープールがナポレオン3世やシャルル・ド・ゴール、J.P.モルガン、そして英国女王の衣装も手がけてきているサヴィル・ロウのビスポークテーラーと知ったからです。

それらの華麗なエピソードは、執筆中の小説『The Tailor's Daughter(仕立屋の娘)』に影響を与えました。 そのことに、ヘンリープール6代目当主アンガス・カンディも興味を持ったのです。アンガスは、ヘンリープールの2代目当主ヘンリー・プールが亡くなったことで跡を継いだヘンリーのいとこ、サミュエル・カンディの曾孫に当たります。

ジャニスは、自分のためにスーツを仕立てようと思いつきました。それは、ロンドンに戻ってくる良い理由となったのです。
そして、素敵なパートナーシップが出来上がりました。ヘンリープール社はジャニスの小説を気に入り、ジャニスもヘンリープールで誂えたスーツに大変満足しました。 そのスーツは、美しいネイビーブルー地のチョークストライプで、まるで絵に描いたようにジャニスにフィットしたのですから。


The Tailor's Daughter
Janice Graham(ジャニス・グラハム)著
ヴィクトリア時代のサヴィル・ロウに生きる女性、ヴェガ・グレンフェルを描いた物語。日本語訳は出版されていませんが、原著の入手はネット書店で可能です。


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