国際的に名声を得たロンドンのストリート、サヴィル・ロウは、イギリスのオーダーメイドテイラーの中心地です。その歴史は1806年にブランズウィックスクエア、エヴェレット・ストリートにリネン製品の呉服商を開いたジェームス・プールまでさかのぼります。

ワーテルローの戦いの頃、ジェームスはチュニックを作り、軍のテーラーとして創業しました。1822年、彼はリージェント・ストリート181 番地に大型店舗をオープンし、その後オールド・バーリントン・ストリート4 番地に本店を建てました。1846年、彼の死去の後、息子のヘンリーが店舗を拡張し、サヴィル・ロウの通りに面した新しいエントランスを設け、宮殿のようなショールームをつくりました。これがサヴィル・ロウスーツの長い歴史の幕開けになりました。

1876年、ヘンリー・プールの死去の後、彼のいとこのサミュエル・カンディが後を継ぎ、現在まで、ほぼすべてのヨーロッパの国王の御用達となりました。その後、ヘンリープールはパリ、ウィーン、ベルリンに支店をオープンしました。
1900年初頭には、ヘンリープールは300人のテーラーと14人のカッターを抱え、この業種では世界で最大規模になりました。

1961年のロンドン再開発の為に建物を取り壊すことになった時、ヘンリープールはコーク・ストリート近くの近代的な場所への移転を余儀なくされました。しかしながら1982年に、伝統的なホームグラウンドへ戻る事ができ、サヴィル・ロウ15番地の美しいビクトリア調の建物へ移ったのでした。